お疲れ様です!ブログ編集担当のKOBAYASHIです!
物流や運送の世界は普段生活している中ではなかなか見えにくい舞台裏です。
でも、私たちがスーパーで新鮮な食材を買えたり、ネットで注文した商品が翌日に届いたりするのは、この舞台裏で毎日休まず動いている人たちがいるからです。
今回は、最近のニュースやビジネスの世界でよく耳にするようになった「付帯作業(ふたいさぎょう)を無くす動き」について、分かりやすくその背景や私たちの生活への影響、そしてこれからの未来について紹介していきます。
「付帯作業」とは?

まず、みなさんは「トラックのドライバー」と聞いて、どういった仕事を思い浮かべますか?
恐らく多くの人が「大きなトラックを運転して、目的地まで荷物を運ぶ仕事」と答えると思います。
確かにそれが一番の本業であり、プロフェッショナルとしての技術が光る部分です。
しかし、実は日本の運送業界では、ドライバーが「運ぶこと」以外にも「たくさんの仕事をこなしている」のが現状です。
この「運ぶこと(運転)以外に発生する、さまざまなサポート業務」のことを、専門用語で「付帯作業」と呼びます。
具体的には、以下のような作業がこれに当たります。
- 荷物の積み込み・荷降ろし(手作業での移動)
- (出庫先・納品先)倉庫内での荷物の仕分けや、納品先店舗の棚ごとに分ける作業
- 商品の検品(数やキズのチェック)
- 納品先での「ラベル貼り」や「箱詰め」
- 納品先店舗のバックヤードや商品棚まで荷物を運び、きれいに並べる(品出し・陳列)
驚かれるかもしれませんが、これらは本来「荷物を送る側(荷主企業)」や「荷物を受け取る側(納品先店舗など)」が担当してもおかしくない作業です。
しかし、これまでの日本の商習慣のなかで「いつも来てもらっているから、ついでにこれもお願いね」という形で、サービス(無料)としてドライバーが引き受けることが当たり前になってしまっていました。(もちろん、業務契約の中に付帯作業が含まれていて、その分の作業料をいただいている場合もあります。)
なぜ「付帯作業」を無くそうとしているの?

では、なぜ今になって、この「ついでの作業(付帯作業)」を無くそう、あるいは減らそうという動きが日本全国で大きくなっているのでしょうか。
これには、私たちの生活にも直結する重大な理由が3つあります。
理由1:ドライバーの「労働時間」を減らすため
いま、物流業界では「法律で決められたドライバーの残業時間の上限」が厳しくなっています(いわゆる物流2024年問題など)。
ドライバーが運転席に座って移動する時間だけでなく荷物をお店で仕分けしたり、棚に並べたりしている時間も、当然すべて「労働時間」としてカウントされています。
付帯作業が多いと、それだけで何時間も拘束されてしまい、肝心の「運転して荷物を届ける時間」が圧迫されてしまうのです。
理由2:労働環境を改善し、若い仲間を迎えるため
重い荷物を手作業で何百個も仕分けしたり、狭い倉庫でかがんで作業したりする付帯作業は、想像以上に体力を使います。
「トラックを運転するのが好き」「日本の物流を支えたい」と思って業界に入ってきてくれた若い人や女性が、この運ぶこと以外の重労働が原因で体を壊してしまったり、離職してしまったりすることがあります。
これからの時代、若い人たちに「働きたい!」と思ってもらえるクリーンな業界にするためには、この負担を減らすことが絶対に欠かせません。
理由3:お取引先企業様(荷主様)と一緒に目指す「新しい関係」
「付帯作業を無くす」という動きは、決して運送会社が「楽をしたいから、仕事を拒否する」ということではありません。
むしろ、これからの時代もお客さまの荷物を「安全に、確実に、ずっとお届けし続けるため」の、前向きな改革なのです。
現在、多くの先進的な企業様(荷主様やお届け先様)が、この問題に理解を示してくださっています。
例えば、これまではドライバーが手で1個ずつ運んでいた荷物を、あらかじめ「パレット」と呼ばれる大きな板の上に載せてまとめておき、フォークリフトで一瞬で積み込めるように工夫する。
あるいは、納品先店舗での仕分け作業は専門の作業員を用意し、ドライバーは「届ける役割」に徹してもらう、といった役割分担が進んでいます。
このように、運送会社と企業様がお互いに知恵を出し合い、負担を分け合うことで、結果として配送の効率が上がり、お互いのコスト削減やビジネスの安定にもつながっています。
これからのパートナーシップは「どれだけ無理を聞いてくれるか」ではなく「どれだけお互いに効率よく、長く付き合える環境を作れるか」が価値になる時代です。
私たちの生活(一般消費者)へのメリット

「付帯作業がなくなると、一般の私たちには関係があるの?」と思う方もいるかもしれません。
実は、大いに関係があります。
もし、このまま付帯作業が減らずにドライバーが疲弊し、なり手がいなくなってしまったら・・・。
数年後には「ネット通販が届くまでに1週間かかる」「スーパーの棚に新鮮な野菜が並ばない」といった事態が本当に起こるかもしれません。
付帯作業を減らし、ドライバーが「運ぶこと」に集中できるようになれば、運送の効率は劇的にアップします。
それはつまり、私たちの手元に、これからも変わらず「欲しいものが、欲しいときに、安全に届く」という当たり前の日常が守られることを意味しているのです。
まとめ
この記事では、運送・物流業界で大きなテーマとなっている「付帯作業(ふたいさぎょう)を無くす動き」について紹介しました。
トラックのドライバーは、ただ道路を走って荷物を運ぶだけでなく、荷物の積み降ろしや検品、納品先での仕分けや棚卸しといった、本業以外の「見えない仕事」を数多く担ってきました。
しかし、ドライバーの労働時間を適切に管理し、過酷な労働環境を改善して若い世代が安心して働けるクリーンな業界へと生まれ変わるためには、これらの付帯作業を役割分担のなかで見直し、減らしていくことが急務となっています。
この取り組みは、運送会社単体で成し遂げられるものではなく、お荷物を預けてくださる企業様や受け取る企業様と一体となり、パートナーとして知恵を絞りながら進めていくものです。
そして、一見すると業界内の効率化だけに見えるこの改革こそが、将来にわたって日本の物流網を維持し、一般消費者の皆様のもとへ毎日当たり前のように商品が届く豊かな暮らしを守るための、大切な一歩となっています。


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