スーパーやホームセンターの搬入口などで見かける、長い棒のようなものがついた車両を見かけるがあると思います。
でも、あの車両が何をしているのか説明できる人は意外と少なく、何となく「荷物を移動させるための機材」という認識の人が多いかもしれません。
この記事では、物流についてあまり知らない人でもフォークリフトが何なのか、どのようなことをしているのかを解りやすく紹介します。
フォークリフトって何?

一言で言えば「重たいモノでも安全に簡単に運ぶための専用車両」です。
人力では到底無理とされる重さ(数百kg~)を抱え、移動させることが可能になります。
使用方法として、一般的には荷物をパレットに載せて長い棒の部分(フォーク)(通称:爪)を差し込み、パレット持ち上げて移動します。
長い棒部分(フォーク)の通称が「爪」と呼ばれる理由
フォークリフトの長い棒の部分(フォーク)を「爪」と呼ぶ理由は、動物の爪と役割が似ているから。
爪の本質的な役割は「引っかけて支える」ことにあります。
フォークリフトの爪も同じ「落ちないように支えながら持ち上げる」もののため、棒や板ではなく「爪」という言葉が使われ出したと言われています。
忙しい現場では短く伝わりやすい通称として今もなお、広く使われています。
どこで使われている?

主な使用場所として
「倉庫」
「トラックの積み降ろし現場」
「工場」
「港湾や空港」
「スーパーやホームセンターの裏側」
といった、日常生活ではあまり見えない場所で大活躍している影の功労者です。
フォークリフトの種類は実はこんなにある
一口にフォークリフトと言っても、様々な用途で用いられています。
そのため、用途に合わせて着いている装備や形も、豊富な種類を各メーカーは準備しています。
よく見かけるタイプだと
「カウンター式」
「リーチ式」
があります。
カウンター式

カウンター式は最も見かけることが多いタイプで、車のように座席に座り、ハンドルを回し前進、後退しながら作業します。
野外や屋内といった場所を選ばず使用できるものも多く「力仕事が得意な万能型」なのがカウンター式と呼ばれるタイプです。
ただ、リーチ型と比べると前後の幅が大きいため、ある程度のスペースが必要となります。
リーチ式

主に狭い通路や天井が高く、高い位置に荷物を格納したりなど、屋内現場で使用されることが多いタイプです。
カウンター式と違い、その場で360°方向転換できるため、狭い場所で荷物の出し入れをする現場で重宝されます。
カウンター式と比べると小回りが利く分パワーは少ないため、高重量のものは苦手です。
ほかにも、凸凹した道だと上手く走れないこともあり、使用場所が限定されることもあります。
次に、駆動タイプによっても使用される場所や用途が変わってきます。
エンジン
駆動タイプがエンジンの場合3つのタイプがあり、それぞれの特性があります。
ガソリン
小型、中型がメインとなり、扱いやすくキビキビ動くことが特徴です。
高重量のものを扱えないこともありますが、振動が少なくエンジン音も比較的静かなため、細かい操作が多い場所や屋外でも人の出入りが多い場所でよく使用されます。
軽油(ディーゼル)
パワーが強く、高重量を扱うことが可能です。
また、長時間連続稼働も可能なため現場(港湾、建設現場、大型倉庫の屋外、悪路など)では多く使用されています。
物流などの現場では速さよりも「安定して荷物を持ち上げ運ぶこと」が重要となるので、パワーのある軽油(ディーゼル)タイプが多く選ばれている理由です。
ただ、パワーが大きい分、音と振動も大きく長時間の操作は体への負担が大きいうえ、排気ガスはガソリンやLPガスに比べ多く、煤により顔や体が真っ黒になることもあります。(体にも悪そう)
民家が密集するような場所だと音と振動が原因によるクレームにつながる可能性もあるため、使用する際は時間帯を考慮する必要があります。
プロパンガス(LPガス)
エンジンタイプだけど、電動との中間的な存在で屋外屋内の両方で活躍することができます。
フォークリフトの後部にガスボンベを積んでいるので、見た目ですぐにこのタイプのフォークリフトだとわかります。
エンジンの力強さと電動の使いやすさ、その両方を併せ持つのがこのタイプです。
燃料であるLPガスが切れても、ガスボンベを交換するだけですぐに現場に戻ることが可能で、排気ガスもガソリンや軽油に比べ少なく比較的クリーンなため、利用する物流会社も多くあります。
ただし、軽油(ディーゼル)タイプほどのパワーは無いので、高重量を扱う時は注意が必要になるほか、ガスボンベを保管、管理する必要があるため扱える現場や会社が限られてしまうこともあります。
電動(電気)
充電式のバッテリーで動き、音はとても静かで操作は滑らかなことに加え、排気ガスは一切出ないことが特徴です。
主に、物流倉庫内や食品、医薬品を扱う現場のほか、スーパーや工場の屋内作業に使われることが多くあります。
ただ、パワーはエンジンタイプに比べると弱く、連続稼働には向きません。
また、バッテリーの充電には時間がかかるため、エンジンタイプのように燃料を入れればすぐに現場へ復帰することはできないため、小まめな充電が必要になります。
管理方法も、定期的にバッテリー内の水量を確認し、継足ししておかないとバッテリーの寿命を縮めてしまうことになり、バッテリー交換となると高額な費用が掛かってしまうことになるなど以外と手間がかかります。
フォークリフトは「誰でも乗れる」わけじゃない

倉庫内や現場だけで使用する場合が多いフォークリフトですが、誰でも乗れるものではありません。
少なくとも、筆記と実技による技能講習を受ける必要があるほか、しっかりと安全教育受け危険性を熟知しておく必要があります。
時々、フォークリフトの操作を誤り死亡事故など、大きな事故につながってしまったというニュースを見る事があります。
これは、安全対策を怠り、自分の実力を過信した結果起こった事故です。
乗用車も同じで、ちょっとした油断が重大な事故につながる可能性があり、倉庫内や現場内といった限定された空間で数百kg、数千kgという重量を抱え操作するフォークリフトはちょっとしたミスが大事故につながる可能性があるのです。
フォークリフトの本当の価値

フォークリフトは操作方法、安全確保さえ怠らなければ効率的に業務を遂行することができ、荷物や身体を痛める事も無く、移動運搬することが可能です。
つまり、フォークリフトは「作業スピードの向上」「人手不足のカバー」「商品移動時の破損防止」「作業員の身体的負担の軽減」といった業務における効率と安全を守る存在です。
もし、フォークリフトが無かったら

もし、物流や運送業界にフォークリフトが無ければ、人力による手積み手卸しのほか、大型の荷物はクレーンといった重機を使用しなければいけいないなど、作業時間やコストの増大に加え、怪我などの事故リスクも増える可能性がかなり高くなります。
また、物流の停滞が私たち消費者の生活にも金銭的、時間的にも大きく影響する可能性もあります。
つまり、フォークリフトは社会インフラの一部と言っても過言ではないのかもしれません。
物流会社、運送会社にとってのフォークリフトとは

物流や運送会社にとってフォークリフトは、トラックと同じくらい重要な設備の1つです。
無ければ事業が成り立たないほど重要と言ってもいいかもしれません。
作業員の怪我などの労災を防止し、荷物の積み卸し時間を短縮させることでドライバーの待機時間を削減し、回転率を上げることができます。
例えるなら、トラックが物流にとっての血液ならば、フォークリフトは心臓にあたり、動いている間は意識されることはありませんが、止まると全てが止まります。
それほど、フォークリフトの存在というのは実は大きいのです。
まとめ
この記事では、物流について知らない人でもフォークリフトが何なのか、どういったことをしているのかを解りやすく紹介しました。
フォークリフトは「物流の当たり前」を支える大きな存在です。
当社でも複数台のフォークリフトを所有し、日々多くの製品(飲料、食品、医薬品、青果、鋼材、ドラムなど)の積み卸しに使用しています。
製品によって積み卸しの方法が違う事もあり、滑りやすい製品や荷崩れを起こしやすい製品はより慎重な操作が求められます。
そして、それを担っているのは運送業界に携わって何十年となるベテラン運転手と作業員です。私たちは日々、更に業務効率を上げる方法が無いかを思考しながら取り組んでいます。
また、起こってはならないことですが、事故などの問題が起こった際には運転手や作業員への情報共有を徹底し、同じ問題が起こらないよう努めています。
物流、運送業界ではトラックが目立つため主役とされていますが、あまり目立たないけれどフォークリフトも主役と同じくらい活躍している、欠かせない相棒です。
この記事を見た跡、どこかで見かけることがあればきっと、見え方が違っているかもしれません。
その時は作業員へひっそりと応援をお願いします。
それでは、またっ!


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