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「わざと通せんぼしてるの?」高速道路でトラックが並走する“避けられない”切実な事情

トラック

こんにちは!ブログ編集担当のKOBAYASHIです!

物流の世界って外から見ると「不思議なルール」や「ちょっと困ったマナー」に見えることがたくさんありませんか?

今回は、高速道路をドライブしていると誰もが一度は遭遇するなぜトラック同士が追い越し車線で並走し続けているの?という疑問について紐解いていきます。

目次

追い越し車線の「ふた」?トラック並走の謎

家族旅行や仕事の移動で高速道路を走っている時、目の前で2台の大型トラックが並んでいる状況に遭遇したことはありませんか?

「早く抜かしてよ!」とやきもきした経験も・・・。

後ろには長い渋滞ができているのに、右側のトラックがなかなか左側に寄ってくれない。

まるで通せんぼをしているように見えるあの現象、実はドライバーさんたちの意地悪でも、運転技術が未熟なわけでもないんです。

そこには、私たちが普段意識することのない「法律の壁」と「物流の仕組み」が隠されています。

物理的に「出せない」スピードの限界

最大の理由は、すべての大型トラック(総重量20トン以上の大型貨物車など)に取り付けられている「スピードリミッター」という装置です。

法律によって大型トラックは時速90km以上出せないように機械で制御されており、アクセルをどれだけ踏み込んでもリミッターが働いてスピードが頭打ちになってしまうのです。

 

ここで想像してみてください。

左車線を走っているトラックAが「時速88km」で走っていたとします。

後ろから来たトラックBは、もう少し急ぎたいので「時速90km」で追い越しをかけます。

この差、わずか「時速2km」。

歩く速さよりもゆっくりとした速度差で追い越そうとするため、必然的に並走する時間が長くなってしまいます。

乗用車ならアクセルを一踏みすれば時速100kmや120kmまで加速してすぐに追い越せますが、トラックにはその「一踏みの余裕」が物理的に存在しないのです。

「1分1秒」を争う運行スケジュール

「そんなに時間がかかるなら、追い越さなきゃいいのに」と思うかもしれません。

しかし、トラックドライバーには会社や荷主から指定された「荷受け時間」や「配送時間」という厳格な締め切りがあります。

長距離を走るドライバーにとって時速2kmの差は数時間の走行で10分、20分の差になって現れます

また、厚生労働省が決めた「改善基準告示」というルールにより、ドライバーの労働時間や休憩時間は分刻みで厳しく管理されています。

「あと5分早く着けば、規定の休憩時間をしっかり確保できる」

「ここで1台抜かしておかないと、ジャンクションの合流でさらに遅れてしまう」

そんなプロとしての時間管理の積み重ねが、あの「時速2kmの追い越し」に繋がっているのです。

荷物と燃費、そして「慣性」の戦い

運送

大型トラックが運んでいる荷物は時に10トンを超えることが多く、一度スピードを落としてしまうと元の速度に戻るまでに膨大な燃料と時間を消費します

特に、坂道に差し掛かると荷物の重さによって速度が落ちやすい車と、勢い(慣性)を保てる車に分かれます。

追い越し車線にいるドライバーは「ここでブレーキを踏んで減速してしまうと、次に加速するのが大変だ」という判断から、そのままの速度を維持しようとします。

これが結果として、はたから見ると「なかなか譲らない頑固な走行」に見えてしまう。

でも実は、彼らはブロックをしているのではなく、巨大なエネルギーをコントロールしながら、最も効率的な走行を維持しようと必死なのです。

追い越される側の「優しさ」が鍵

優秀

実は、この並走問題をスムーズに解決する一番の方法は、追い越される側(左車線)のドライバーが少しだけアクセルを緩めてあげることです。

「お先にどうぞ」という気持ちで時速3kmほどスピードを落とせば、追い越し車線のトラックは数秒で前に出ることができます。

最近では、SNSや業界内の教育を通じて、こうした「譲り合い」の精神を大切にする企業も増えています。

私たち「宝海運」のような物流に携わる者も、こうした「周囲への配慮」こそがプロの品質であると考えています。

単に荷物を運ぶだけでなく、道路を利用するすべての人にとって安全で快適な環境を作ること。

それが巡り巡って物流業界全体のイメージアップ以外にも、次世代の担い手への信頼に繋がると信じているからです。

これからの高速道路はどう変わる?

現在、政府では高速道路での大型トラックの最高速度を「時速80km」から「時速90km」へ引き上げる運用も始まっています(リミッターの設定との整合性をとるため)。

また、将来的には複数のトラックが列になって自動で走る「隊列走行」の技術開発も進んでいます。

テクノロジーが進化すれば、あの「やきもきする並走」も過去のものになるかもしれません。

次に高速道路でトラックの並走を見かけたら「あの車も90kmの壁と戦いながら、誰かの大切な荷物を届けているんだな」と、少しだけ優しい気持ちで見守っていただけたら幸いです。

そのトラックが運んでいるのは、明日あなたがお店で手にする商品や誰かへの大切なプレゼントかもしれません。

まとめ

この記事では、高速道路をドライブしていると誰もが一度は遭遇する「なぜトラック同士が追い越し車線で並走し続けているの?」という疑問についてお答えしました。

高速道路で大型トラックが追い越し車線を並走し続けてしまうのは、決して嫌がらせや運転ミスではありません。

法律で義務付けられた時速90kmのリミッターによって「出せる速度に限界があること」が根本的な原因であり、そのわずかな速度差の中で、厳しい時間制限を守ろうとするプロフェッショナルの事情が絡み合っています。

さらに、重い荷物を積んだ状態で効率よく走るための判断が結果として長い並走を生んでしまうのです。

物流を支えるドライバーたちの背景を知ることで、道路を利用する皆さんの心のゆとりと、日本の物流への理解が深まればと願っています。

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この記事を書いた人

ブログの編集、裏方業務を主に担当。元運転手でもあり、元現場作業員でもあり。IT関係から事務、現場、運転まで何でもこなす「何でも屋」。運送業界、物流業界のこと、そして宝海運のことをわかりやすく紹介するブログを書いてます!カレーが大好き。

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