高速道路のSAやPAにずらっと並ぶたくさんのトラック。
「なんでこんなにトラックが止まっているんだろう・・・。」
そんな風に思ったことがある人もいるかもしれません。
稀にですが
「仕事中じゃないの?」
「ずっと止まってるけど(仕事は)大丈夫なの?」
なんて、ご心配の声をいただくことも。
でも、実はこのほとんどは「仕事の一部」だったりします。
この記事では、なぜSAやPAにたくさんのトラックが止まっているのか、その疑問に現役運送会社勤務(元運転手)の中の人が紹介します。
止まるのは「安全」と「ルール」と「仕事」のため

トラックがずっと止まっているのは決してサボっているからなんて理由ではありません。
止まっている理由は大きく分けて5つ存在し、運転手も色々と苦労していたりします。
では、その理由を紹介していきます。
理由1:法律で決められた「休憩義務」がある
トラックがSAやPAの他、道の駅やコンビニといった広い駐車場で止まっているのにはちゃんとした理由があります。
それは「法律で決められた休憩義務」があるからです。
運転手は「4時間の運転」をすると「30分以上の休憩」を必ずとるように定められています。
もしくは「運転時間4時間の中に10分以上の休憩を複数回にわけ、合計で30分以上」となるように休憩をとる必要があります。
(厳密には9分などの短い時間も認められる場合もあるが、基本は10分以上確保する。)
これは通称「430休憩(よんさんまるきゅうけい)」
目的は疲労軽減と交通事故防止となっていますが、実は運転手からは不満の声が聞こえていたり・・・。
でも、トラックは物を運ぶと同時にその巨体から「走る凶器」なんて言われるほど事故を起こした際の影響が大きい為、休憩はしっかりと取っていただきたいと思っています。
理由2:運転時間の上限が決められている
トラックの運転時間、運転手の拘束時間は法律で決められています。
「体力的にはまだ大丈夫」と思っていても「決められた運転時間を超えた運転は違法」になる可能性があるため、停まらないといけません。
運転手からは「仕事がやり難くなった」という不満の声がちらほらと聞こえてきますが安全運転の観点からもぜひ守っていただきたいと思い、日々運転手へ伝えています。
理由3:深夜割引の待機
高速道路の料金所(IC)を深夜0時~早朝4時の間に抜ければ「約30%」のETC割引が適用されます。
運送会社は少しでも経費を下げるべく、こういった一見地味に思える努力をしています。
ただ、こういった深夜割引の時間をめぐって港湾や工場地帯付近のSAやPA、ICがトラックで大混雑する事態に発展し、一時期ニュースで取り上げられることがありました。
深夜割引は経費の削減という意味では嬉しい反面、たくさんの車両が割引を利用するために渋滞をつくり、燃料を余計に消費してしまうのは本末転倒な気がするのは気のせいでしょうか・・・。
理由4:シャワーや食事、仮眠など「生活の場」でもある
長距離の運転手はなかなか家に帰る事ができない、なんてこともあります。
そんな運転手にとってSAやPAは「もう一つの生活の場」です。
コンビニの他にテナントやフードコートでは定番の食べ物からご当地グルメまで揃っていて、運転手にとって楽しみの1つになっています。
でも、食事はともかくお風呂はどうしているのか、気になりませんか?
外で仕事をしている人は汗やホコリで汚れている、なんてイメージを持つ人もいますが、実は綺麗好きな運転手って多いんです。
SAには「シャワー」施設の利用が可能な場所もあり、運転手はよく利用しています。
ただし、料金は場所で少しずつ違っていることも。
だいたいの相場は10分300円程度とシャワー機能しかない分、銭湯や温泉に行くよりも安く済ませる事ができます。
今は石鹸もシャンプーもコンビニで購入できるため、車中泊するような遠出をする人は一度利用してみてはいかがでしょうか?
理由5:荷積み、荷卸しの順番待ち
SAやPAで多くのトラックが止まっている理由に「順番待ち(荷待ち)」をしている可能性もあります。
実は今の工場や倉庫は時間指定による入場制限を設けているところも珍しくありません。
たとえ早く着いても、入場予約時間まで中に入ることができないこともあり、仕方なくSAやPAで待機している場合もあります。
その他の理由
その他にも「渋滞の解消まで時間調整している」
「悪天候で運転に支障がでるため、回復するまで待機している」
「フェリーの乗船時間まで待機」
「荷主様の都合」
「会社からの指示」などなど。
運転手が止まっているのって実は多くの理由が存在します。
なので、決してサボっている訳ではないんです。
トラックの運転手、実は真面目なんです

トラックの運転手って、ちょっと話しかけ難い人もいるかもしれませんが、実はみんな真面目に仕事に取り組んでいる人は多いのです。
トラックという大きさも重量も乗用車とは比べものにならない、技量の必要な乗り物に乗って日々仕事をしています。
一見、簡単そうに運転をしているようですが、走行する際は人や車以外にも建物や看板など乗用車では当たらないような高さのほか、死角を常に意識しているので神経をすり減らしながら運転をしています。
また、地方や郊外にあるような駐車場の広い店舗があれば「疲れた」と感じた時に、少し休憩に寄ることも可能ですが、そういった場所は案外多くありません。
道が狭かったり、一般車両の邪魔になるかもといった理由でトラックを停めることを躊躇してしまうこともあります。
その分、SAやPAでは大型車両を停めるためのスペースを多く確保されており、必要な施設も整備されているため運転手の休憩場所として最適なのです。
当社では徳島県から関東、東北方面といった長距離運行を中心に行っています。
自然と運行時間も長くなってしまうことから、運転手へは小まめな休憩を取ること、そして点呼は必ず行うようにし運転手の運行状況や健康状態を常に確認しています。
万が一、異常があった際にはすぐに連絡が取れる状況を作っておくことで運転手の安全面、荷主様から信頼を得られるよう努めています。
まとめ
この記事では、なぜSAやPAにたくさんのトラックが止まっているのか、その疑問に現役運送会社(元運転手)の中の人が紹介してきました。
高速道路のSAやPAで停まっているトラックの多くは、決してサボっている訳ではありません。
道路状況や会社の指示、荷主様の都合といった多くの理由が存在し、運転手はその指示に真面目に取り組んでいるだけなのです。
みなさんが生活用品や食料品、日用品といった多くの商品を購入できるのは、こういった目に見えない場所で日々奮闘している運転手が居てこそだと、停まっているトラックを見るたびに思い出して頂ければと思います。
それでは、またっ!


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