こんにちは!ブログ編集担当のKOBAYASHIです!
私たちの生活に欠かせない荷物を毎日運んでくれる大きなトラックを街中で見かけない日はありません。
でも、車の運転をされる方はもちろん、歩行者や自転車が道路を通行しているとき、トラックが交差点を曲がる姿を見て「ちょっと怖いな」「ずいぶん大回りをして曲がるんだな」と感じたことはありませんか?
実は、トラックが曲がるときには、乗用車とは比べものにならないほどの大きな「車のクセ」が発生しています。
そのクセの正体こそが、よく自動車教習所などで耳にする「内輪差(ないりんさ)」と「外輪差(がいりんさ)」です。
「言葉は聞いたことがあるけれど、実際どういうものだっけ?」という方、実は多いのではないでしょうか。
この記事では、トラックの「内輪差」と「外輪差」の仕組みについて紹介します。
なぜ車が曲がると「ズレ」が生まれるの?

まず、車がカーブを曲がる際、前輪(前のタイヤ)と後輪(後ろのタイヤ)は、まったく同じ場所を通っていません。
おもちゃの三輪車をイメージしてみてもらうとわかりやすいかもしれません。
ハンドルをぐるっと切って前に進むと、前輪は大きく外側を回っていくのに対して、後ろのタイヤはそれよりも内側を小さく回っていきます。
このように、車が曲がるときには「前輪が通る道」と「後輪が通る道」に必ずズレが生まれるようになっています。
このズレこそが、内輪差と外輪差を生み出す原因なのです。
そして、このズレの大きさは「前輪と後輪の間の長さ(車の長さ)」が長ければ長いほど、劇的に大きくなるという特徴があります。
つまり、普通車に比べて圧倒的に車体が長いトラックは、このズレが非常に大きいため、トラックドライバーは特別な運転技術や周囲への注意が必要になるのです。
「内輪差(ないりんさ)」とは?

まずは一番耳にすることが多く、巻き込み事故にもつながりやすい「内輪差」の紹介からみていきましょう。
内輪差の仕組み
内輪差とは、車が右や左に曲がるとき「前輪が通った場所」よりも「後輪が通った場所」の方が、より内側を通ることを言います。
例えば、トラックが左に曲がろう(左折しよう)としている場面を想像してください。
運転席がある前輪部分は、交差点の角を避けて通り過ぎました。
しかし、後ろのタイヤは前輪よりも、より内側を突き進んできます。
結果、前輪はぶつからなかったのに、後ろのタイヤや荷台の側面が、交差点の角にあるガードレールや電柱、あるいは信号待ちをしている自転車や歩行者などにぶつかりそうになってしまう。
これが内輪差の正体です。
トラックの内輪差はどのくらい大きいの?
乗用車の場合、内輪差によるズレは数十センチ程度であるため、そこまで強く意識しなくても、よほど狭い道でなければ角にぶつかることはありません。
しかし、これが大型トラック(全長12メートルほどあるもの)になると、内輪差によるズレはなんと2メートル近くに達することもあります。
前輪がいくら余裕を持って曲がったとしても、後ろのタイヤは2メートルも内側を走ってくるわけですから、トラックの運転手がいかに慎重にハンドルを切っているかをわかっていただけるのではないでしょうか。
また、街中でトラックが左折するときに、一度右側に車体を少し振ってから左へ曲がっていくのを見かけることはありませんか?
あれは「そのまま曲がると内輪差によって、後ろが壁に衝突したり歩道に乗り上げてしまう」のを防ぐための、プロならではの高度な工夫なのです。
「外輪差(がいりんさ)」とは?

内輪差ほど知られていませんが、実は同じくらい危険を孕んでいる「外輪差」について紹介します。
外輪差の仕組み
外輪差とは、車が曲がるとき「後輪が通る場所」よりも「前輪が通る場所」の方が、より外側を大きく膨らんで通ることを言います。
この前輪とは、曲がる際の一番遠い側の前輪を指しています。(例えば、左へ曲がるなら右側の前輪)
そして、この外輪差により危険となるのが、トラックが曲がるときに「車のお尻部分(後ろの角)が、曲がる方向とは反対側の外側へ大きくはみ出す現象」のことです。
専門用語で「リアオーバーハングの振出し」などと言ったりします。
例えば、トラックが右に曲がろう(右折しよう)とハンドルを右にいっぱい切ったとします。
車体が右に傾き始めるとき、長い荷台の後ろ側(お尻の部分)は、一瞬だけ左側(外側)へ突き出るように大きく振られます。
外輪差が引き起こす危険
この外輪差は、車体が長ければ長いほど大きくなります。
大型トラックの場合、お尻の振り出し幅は1メートル近くになることもあります。
これがどんなときに危ないかというと、例えば2車線ある道路で、右折レーンにいるトラックが右に曲がろうとした瞬間、そのトラックの左後ろ(直進レーン)を走っていた別の車やバイクに、トラックのお尻がぶつかってしまうケースです。
トラックドライバーからすると、右に曲がっている最中なので、まさか自身の車のお尻が左側の車線にそれほど大きくはみ出しているとは気づきにくい、という盲点があります。
私たちが街で安全に過ごすためのポイント

ここまで、トラックには「内輪差(タイヤが通る最も内側)」と「外輪差(タイヤが通る最も外側)」そして、外輪差によって「トラックの後方部(お尻)が隣の車線にまではみ出してしまう」という3つの大きなクセがあることを見てきました。
これらを踏まえて、みなさんが街中でトラックと安全に付き合うためのポイントをいくつかご紹介します。
交差点の角で待ちすぎない(歩行者・自転車)
信号待ちをするとき、歩道のギリギリ、道路の縁石のすぐ近くに立つのは避けることをおすすめします。
特に自転車やベビーカーを押しているときは注意が必要です。
トラックが左折してくるとき、内輪差によって後ろのタイヤやボディ部分が、あなたが立っている歩道のすぐ近く(場合によっては歩道に少し乗り上げる形で)をかすめていく可能性があります。
特に、夜や薄暗い時間帯はどれだけ注意深く走行していても交差点の角が見え難いこともあるため、交差点では一歩後ろに下がって待つのがとても安全です。
トラックの「左側」や「すぐ後ろ」に並ばない(ドライバー・バイク)
車やバイクなどを運転しているとき、交差点で左折の合図(ウインカー)を出しているトラックの左側の隙間に並ぶのは非常に危険です。
トラックの運転席からは左側の下の方が見えにくいうえに、ひとたびトラックが動き出せば、大きな内輪差によって挟まれてしまう「巻き込み事故」の原因になります。
また、トラックが曲がろうとしているときは、後方部(トラックのお尻)や横にぴったり並ぶのではなく、少し車間距離を開けてあげることで、トラックのお尻が振られてきてもぶつからない安全なスペースを確保することができます。
まとめ
この記事では、トラックの「内輪差」と「外輪差」の仕組みについて紹介しました。
車が曲がるときに発生する前後のタイヤの通り道のズレのうち、曲がる内側に向かって後ろのタイヤが近道をしてしまう現象を内輪差と呼び、逆に曲がる外側に向かって車のお尻が大きく振り出されてしまう現象を外輪差と呼びます。
これらは車の長さが長ければ長いほど大きくなる性質を持っているため、街中を走る大きなトラックでは、普通車とは比べものにならないほどの大きなズレとなって現れます。
私たちトラックのドライバーは、この内輪差で周囲の人や障害物を巻き込まないよう、また外輪差で隣の車線にお尻をぶつけないよう、高い運転技術と細心の注意を払ってハンドルを握っています。
一般の歩行者やドライバーのみなさんも、こうしたトラック特有の仕組みや動きのクセを正しく知っておくことで、交差点で一歩下がって待つ心の余裕が生まれ、お互いの安全を守ることにつながります。
道路を利用するみんなが少しずつこの仕組みを理解し、思いやりのあるスペースを譲り合うことで、日々の安全が作られていくのではないでしょうか。


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